ころがる剛体と摩擦力(最初)

子供に質問されてシドロモドロだったので、剛体の球とか円柱がころがるとき、発生する摩擦力の性質についての説明を考えました。
まずは、すべりなしの場合の次の4つの図から。

質量{m}、半径{r}、慣性モーメント{I}の円形の物体に、色々な力{F}を加えた場合について、 物体の重心の水平方向の位置を{x}、回転角を{\theta}とします。

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(a)では、重力が働かない空間で、ひもを巻きつけた物体を、接線方向に力{F}で引張っています。
{F}は重心からずれた位置に作用しますので、並進運動を変化させる効果と回転運動を変化させる効果を持ちます(等価変換して、力を重心に作用させるとわかりやすい)が、床に接しておらず、摩擦力が働きません。

(b)では、水平面上に置かれた物体の重心を力{F}で押しています。
床との接触がなければ並進運動のみが変化し、回転は変化しないのですが、床と接している場合には、直感的に床との間の摩擦力{f}(b)下図のように働くことがわかります。

(c)では、水平面上に置かれた物体の上部を力{F}で押しています。
このときも直感的には床との間の摩擦力{f}(c)下図の方向に働くことが予想されますが、これは自明なことなのか、ちょっと迷うところです。

(d)は、(b)(c)を一般化して、重心に力{F}と、力のモーメント{M}が作用する場合です。
(c)で迷った摩擦力{f}について、数式で判断できないのか、考えてみます。

次の記事以降で注意して書きたいところ: 
   
 ● (a)と(c)から、剛体がころがるときには点接触で摩擦力が発生する  
  
 ● (b)と(c)から、力を偏心したとき、力による仕事量が変化する  
  
 ● (b)と(c)の摩擦力の方向は(d)を使って判定する